人類の神殿のストーリー

岩壁に、最初のつるはしが入ったのは、1978年の或る8月の暑い土曜の夜だった。オベルト・アイラウディと10人ほどのダマヌりアンは、ビダラッコの丘の近くの或る家の後ろで火を囲んですわっていた。夜空に、見たこともないような大きく輝く星が、ゆっくりと流れた。くっきりと金色の尾を引いて、地球に向かって落ちてきた。
シンクロニックラインにアクセスするために、そして、何千年来、存在したことのない神殿をつくるために地球の中心に向かって山を掘り始めるのは今だ、というポジティブな印だった。
その時点では、誰も、この仕事のことは知らなかった。オベルト・アイラウディの思いがけない言葉は、深甚で意味深長であり、ミーティングが終わったとたん、居合せていたうちの二人が指示されたところを掘り始めた。
ハンマーとつるはししか無かったが、一晩中、熱心に続けた。朝になって、交替のために他のメンバーが到着した時には、すでに1メートル以上も山の中を掘り進んでいた。グループで絶えず交替し、中断することは決してなかった。参加した人は誰もが、いつも熱心で活発だった。
仕事にうち込む15人にとって山を掘ることは、自分の中を掘るのに等しい。団結を、友情を強くする何かとても重要で大切なことを行うのは楽しいことだった。
満月の夜には、外に出てきて地面に寝転び、星を眺めた。ひとつのグループが掘っている間、別のグループが交代で土を外に運んだ。
年度、岩、何千年も触れられることのなかった土。原始のエレメント。この仕事をすることで無尽蔵の根源的な力が与えられた。
2ヶ月ほど長い月日の後、最初の一区切りのゴールに達した。通路の脇には、地球とのコンタクトに集中するための一つの場所がつくられた。
人間の力だけで掘るという象徴的儀式的な努力が完了した後、電気のハンマーを使うことができた。
少し経って、交差するふたつの円を、ふたつのグループが対するふたつの方向から、それぞれ着手した。ぴったりとふたつの円が出会った時には、掘った人たちは喜びのお祝いをし、より大きな部分へと、さらに熱心に仕事が再開された。
たくさんの人が集まることができる、かなり大きな洞穴ができた。そこは、じめじめしていて、暗く、強烈な感覚を与えた。
長い通路と、壁面には、角錐形の小さな窪みがつくられ、部屋の進路を照らすためのろうそくが置かれた。おびただしい水滴が、ぬるぬるした粘土となり、壁をつたって落ちる一方、すべては静かだった。
仕事が完成した時には、オーブン料理や家で焼いたパン、菜園の果物などを中に運んだ。部屋の真ん中に火を灯し、そこは、後に、青の神殿となった空間である。